春隣(はるとなり)
2021/01/27
歳時記が好きです。
局アナ時代から天気予報の資料として欠かせず、時折めくったりすると味わいのある日本語に出会えます。
「春隣(はるとなり)」。
冬の季語で、もうすぐそこまで春が来ているという意味です。
寒い朝、布団から飛ぶ出すには、「えいやっ!」という勢いが必要ですが、日中の日射しに段々とまぶしさを感じるようになり、春への期待が高まりますね。
私が好きな歳時記には、「たとえ寒さが厳しい日にも(中略)、日射しは一日に畳の目ひとつ分ほど伸びていきます」という文章が添えられ、これまた粋です。(「日本の七十二候-旧暦のある暮らし-」より)
日本は四季という移ろいがあるからこそ、こんな風に微妙な変化も見逃さずに表現豊かに言葉に表していく文化があるのでしょうか。
ふと気づくと、夕方の日脚は着実に伸び、夕暮れの寒さの中にもかすかな春への期待が感じられますよね。
参考にさせていただいたのは、「日本の七十二候-旧暦のある暮らしー」(白井明大 私が持っているのは2012年に東邦出版から出されたものです)。
挿絵が美しく文章の内容が濃く、読むと豊かな気持ちになれるのでオススメです。
お家時間が長い分、今までであれば気に掛けるゆとりすらなかった時の移ろいをじっくり味わうことで、豊かさを実感できる今日この頃です。
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