一度吐いた言葉は飲み込めない
「一度吐いた言葉は飲み込めないから気をつけなさい」。
小さい頃、両親や学校の先生から言われたことのある方もいるでしょう。
自分が口にする言葉で、聞いた人が傷つかないか、不快な思いをしないか、いつも考えてから言葉を口にすることは、とても大事なことだと感じます。
先日、とある方が、病院でドクターから思いがけないものの言い方をされ傷ついたという話をしてくれました。詳細を聞くと、ドクターも悪気がなかったのだろうなとは思うのですが、確かに、「それをあえて患者側に言わなくてもいいのにな」という内容で、「言葉って難しいね」「自分も気をつけようね」としみじみ語り合ったのでした。
「傷つけるだなんて、そんなつもりはなかった」、「悪気はなかった」、「あいつのためを思って言った」。これ、よく聞くフレーズです。
でもね、わたしは思うのです。まず、「これ言われたら相手はどう感じるかな」って、本当に頭で一回考えてからものを言っているのかな。
言葉の裏に少なからず、「自分の言うことを聞かせたい」ですとか、「自分のすごさや立場をしめしたい」、「(あいつのためといいつつ、)自分の『こうあるべき』を押し付けたい」といった自分本位な気持ちがなかったでしょうか。
ベストセラーになった話し方本の中には、話し方のスキルをあげるためには、「相手の幸せを思って話すといい」と書かれています。
うんうん、ほんとにそうです。
テレビやラジオで話すときは、常に画面やラジオの向こうの方が幸せな気持ちになれますように!と思ってしゃべっていました。
プライベートでは、「相手が自分だったら、このタイミング・シチュエーション・関係性の中でこれを言われて納得がいくかな、嬉しいかな、それとも・・・」、と考えるようにしています。
自分がされてうれしいことを相手にもする、自分がされて嫌なことは相手にもしない、です。
実践レベルでいうと、「思い付きでしゃべらないこと」。
一瞬、頭で考える。飲み込めないからこそ、発する前に「口をつぐんで考える」。
話し方のスキルが、「しゃべるな」というのも笑い話のようではありますが、心地良い話し相手になれる第一歩です。
ホテルオークラアクトシティ浜松最上階から臨む浜松の街。遠州灘が見えています。
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