ちょうどいい言葉とは
2021/05/20
言葉には「適温」があると思います。
日本語には、「いい塩梅」、「いい湯加減」「いい感じ」など様々な表現がありますが、その場その場の状況に応じて、相手が心地よいと感じる言葉遣いができると理想的ですね。
先日、病院の受付で、とても丁寧に接してくださるスタッフの方が、やりとりのたびに、「申し訳ありませんが」を文頭に沿えて声をかけてくださいました。
「申し訳ありませんが、保険証を見せていただけますか?」「申し訳ありませんが、検温をお願いできますか?」「申し訳ありませんが、お席でお待ちいただけますか?」
とても丁寧です。
でも私は、3回、「申し訳ありませんが」が続いたときに、とても居心地が悪くなってしまいました。
「こちらは、何にも申し訳ないことなんてされていないので、いやはや恐縮しちゃいます!」という感じ。
これは単純に言葉のストックが足りない故に起きている現象で、「相手に時間や手間を取ってもらうこと」に関しての言葉の表現を知り、自身の引き出しの中に加えて、その場その場にふさわしい表現を使えば、すぐに「いい感じ」に改善されます。
「お手数をおかけしますが」、「お手間をとりますが」、「ご面倒をおかけしますが」、「恐れ入りますが」等々、いわゆる「類語」は、たくさんあります。
例えば、受付の最初で確認するべき保険証をし損じてしまったのであれば、「申し訳ありませんが、先ほどこちらが声をかけ損じてしまいまして、保険証をご提示いただけますか?」が丁寧で良いでしょう。
ただ、患者さん側も「月に一度のルーティンの確認作業」とわかっていれば、「恐れ入ります」「お手数ですが」などで十分ですね。
「受付時の検温」も、もはやコロナ禍においてはルーティンになりつつあります。
この場合も私が受付をする立場だったら、「恐れ入ります」を使います。
「恐れ入りますが、検温にご協力いただけますか?」
そして、「恐れ入ります」以上に、検温が済んだ後の「ご協力有難うございました」に心を込めれば、お客様を大切に思う気持ちはよりストレートに伝わるでしょう。
「席で待つ」ことに関しても、よほどお待たせする場合、予約時間より大幅に遅れている場合を除けば、「順番にお呼びいたしますので、おかけになってお待ちください」でいいですよね。
「丁寧」「間違いがない」ことも大事ですが、「その場にふさわしい表現」を瞬時に見極めて言葉がけができる人でありたいですね。
そのためには勉強も必要ですが、自分がサービスを受ける側になった時に「言われて心地よかった言葉」をストックしていくことがオススメです。
かける言葉、かけられる言葉に敏感な方ほど、「適温の言葉」を絶妙に使い分けられるように感じます。
ちょっとのこと?いえ、そこにサービスの差がつくのです。
コロナ禍と梅雨空で、誰もがブルーな気持ちになりがちな今だからこそ、相手にとっても自分にとっても心地良い言葉の使い手でありたいものです。
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